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iroiroarukedoのブログ

色々あるけど・・・。面白くなかったら、ごめんなさい。

医療とフェティシズム その3

医療

(その3)

つまり、人間の性欲自体は生物学的現象であるにせよ、それがどこに向かうかは文化的、社会的制約の下にある、と言うことです。

フロイトの有名な症例に「女性の鼻の穴にペニスを入れることを夢想する男」というのがあります。人間の性欲は単純に生殖器に向かうのではなく、生殖を表象する記号を目指しているわけで、何かのきっかけで鼻の穴に欲情しはじめることは、十分にありうることなのです。

私が研修医だった時の話です。モデルをしているという、とても綺麗な方の担当になったのですが、毎日、洗浄を必要とする症例でした。

数ヶ月間、来る日も来る日も内診台で洗浄を繰り返し、やっと状態が良くなってきたので、そろそろ退院をという、ある日のことでした。

内診台を降りた彼女が、
「空気が乾燥していて、昨日の夜に少しだけ鼻血が出たんです」
と言います。

専門外ですし、耳鼻科に対診の依頼を出すことになったのですが、紹介状に「鼻血です」とだけ書くのも芸がないと思い直し、自分でも鼻粘膜の状態くらいは確認することにしました。

「鼻の中を診ておきますね」

そう言ってペンライトで彼女の鼻を照らそうとしたら、

「それはイヤっ」
と激しく顔をそむけられました。

何のことかわからずに呆然としていると、彼女は真っ赤に顔を染めて

「そこは耳鼻科の先生でないと、恥ずかしい・・・・」

その途端、私も自分が耳まで熱くなっていくのを感じました。

禁断の実を食べてしまったイブとアダムがイチジクの葉で、鼻を隠しはじめた瞬間でした。

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